こんにちは。SNSの端っこでしがない絵師未満をしている者です。
「お前は何者ぞ」と思った方は自己紹介のページを見てみてください。
どれくらいのしがない絵師未満なのかがご理解いただけると思います。
まあ筆者の話はさておき、
先日、Twitterにて流れてきた二次創作を拝見した際に「おや…?」となったことがありまして。
その二次創作、ツイート本文には何も注意書きがなかったのですが、内容が俗にいう腐向けだったのです。
「腐」の表記もなければ「CP名」の表記もなかったのです。
そこで筆者は疑問に思いまして。
「CP名って表記しなくてもいいの?」
ということで、本記事では「二次創作でCP名は表記すべきか否か」について考えていきます。
そもそもカップリングとは
本記事で言及するCP名とは
通称「カプ名」「カップリング名」と呼ばれるもので、
多くの場合キャラクター名×キャラクター名の形で表されるものを言います。
漫画、小説、アニメ、ゲームなどのキャラクターが絡む恋愛要素を含んだ作品の注意書きとして用いられます。
- 男性キャラクター同士のカップリングは「腐」「BL」
- 女性キャラクター同士は「百合」
- 既存のキャラクターとオリジナルキャラクターの関係性は「夢」
と称される場合が多いです。(時と場合によります。一概には言えません)
本記事ではこれらの分類については説明しません。本題から逸れてしまうので。
例えば「あかさたな」と「はまやらわ」のカップリングを呼称する際は
- あか×はま
- あかはま
- akhm
- あは
- そのキャラクターを表す絵文字を並べる
また、「あいうえお」という作品の夢の二次創作の場合
- aiueo夢
- aiueoプラス
などと表記します。
(作品や界隈によって定着しているものがそれぞれあると思います。)
カップリング名は表記するべきなの?
CP名は表記しなければならないのか?
結論を言うと、どちらとも言えません。
というのも、CP名を表記するか否かは
ネット上のマナーや良識の問題であり、厳密なルールがあるわけではないからです。
結局のところ最終的な判断は個人の思想や考えによるもので、
「表記した方がいい!」という人は表記すればいいし
「表記する必要はない!」と言う人は何もしなくていいんです。
あくまで個人の自由であり、他人に強制するものではありません。
しかし個人の自由であることをふまえつつ、
筆者の考えとしては、
二次創作をする人はCP名の表記はしたほうがいいだろうなあと思います。
CP名を表記した方がマナー的にも良く、メリットも多いからです。
以下、CP名のもたらすメリットについて説明していきます。
「二次創作」というデリケートな行為

「CP名」以前に各種「注意書き」を表記するべきというのは、あくまで二次創作特有の事象です。
そもそも一次創作ならCP名どころか注意書きなんてものは表記する必要はありません。
それは登場人物も、その人物像も、人間関係も、物語も、全ての設定を作者がゼロから考え出しているからです。
世の中に出回っているコミックスや小説に「※死ネタがあります!」とか「※暴力表現のあるバトルシーンがあります!」みたいなことは書いてないですよね。逆にそんなこと書いてあったらネタバレになっちゃいます。
しかしながら二次創作は違います。注意書きをするべきなんです。
二次創作に注意書き、そしてCP名表記が必要な理由は主に二つ。
公式・原作への配慮(最重要)
正直、この記事の本題はこの段落だけといっても過言ではないかもしれません。
大前提として、“二次”創作と言う以上は当然一次のもの、つまり原作が存在するわけです。
我々はその原作のキャラクターや設定をお借りして勝手に楽しんでいるだけ。
そもそも二次創作という行為自体、本来は違法ですしね。現在では原作・公式が許可を出してくれているケースも多いですが、黙認されている場合も同様に多くあります。
しかも原作のキャラクターに「人間関係」や「感情」など、原作で描写されていない独自の設定を付け加える二次創作という行為は色んな意味でデリケートなものです。
よって、カップリング云々の前に二次創作そのものは本来ものすごく気を遣って行うべきなんですよね。
作品の中には二次創作を禁止しているものもありますし。
これはカップリングに限った話ではありませんが、
もし二次創作で粗相があったり公式に迷惑がかかるようなことがあった場合、その被害はファン全体が被るわけですからね。
払える注意は払っておくに越したことはありません。
そして二次創作である以上は「この二次創作ではこのような勝手をしております」という注意書きは必要だと思います。
これは我々が原作・公式に対して払える敬意の形のひとつであり、配慮の形のひとつでもあります。
注意書きの具体例として「死ネタ」「生存if」「キャラ崩壊」「成人向け」など…様々なものがありますが、
CP名も注意書きの一種と言えます。
二次創作の中でもカップリングという行為はメジャーなものの一つですが、
「人間関係や感情の独自設定を付け加える」
これの最たる例だと思います。
作品の愛し方・楽しみ方は千差万別であり、誰もが誰かの「好き」を否定する権利はないのです。
そしてCP名は注意書きとして非常に優秀な機能をもっています。
- 数文字で表記できる
- 公式タグや作品名の使用を避けられる(検索避け)
- 腐、百合、夢、等々の判別がつく
- 人間関係(恋愛関係)の説明になる
また、CP名は多くの場合キャラクターのフルネームは使わないので
(例えばアカサタナとハマヤラワのカップリングの場合、「アカハマ」と表記したりするということ)
フルネームで検索する人には引っ掛からず、公式の投稿に迷惑をかけるケースも減らせます。
CP名を表記することで原作・公式への配慮になると言うわけです。
二次創作やファンアートを作成する際に最初のお手本にするのは本家、つまり「公式」になると思います。じゃあ公式の作風に近ければ近いほど良いイラストかと言うとそんなことは決してありません。むしろ作品に「公式かと思っ[…]
個人の「好き」は全ファンの「好き」ではない
一つ目の理由を「原作・公式への配慮」だとするならば、これは「他のファンへの配慮」です。
二次創作の前に一次である原作がある、それはつまり既に多くのファンがいる作品であると言うこと。
その原作・公式を楽しむにあたってファンの数だけ作品への解釈や付き合い方があります。
たとえば同じキャラクターを愛する人同士でも、そのキャラクターを好きな理由は同じとは限りません。
「見た目がタイプ」「言動が可愛いから好き」「声が好み」「バトルシーンが好き」「他のキャラクターとの絡みが好き」…などなど。
またケースを変えれば、同じシーンを見たとしても
「熱い友情を抱いている二人」と解釈する人もいれば「お互い恋愛感情がある二人」と読む人もいる。
「兄と妹のような関係」に見える人もいれば「男が女に一方的に執着している関係」に見える人もいるし「女が男を手の平で転がしている関係」に見える人もいる。
まあ例として適当に挙げてみましたが、
要するに作品の愛し方・付き合い方や解釈も人ひとりの想像力じゃ到底及ばないほど幅広く様々だと言うこと。
そして、これはつまるところ
「解釈違い」「萎え」も人によって違う
ということ。
作品のファン全員が全員「二次創作を好むオタク」とは限らないのです。
これは筆者も常々気を付けていますが、
どんなに多くの人から評価されている二次創作でも、それが地雷の人が必ずいます。
地雷と言うと大袈裟かもしれませんが、
二次創作を見て「うーん…」ってなったり「自分が思ってたのと違うかも」となった経験がある方は多いのではないでしょうか。
カップリングに限らず、好きなキャラの成人向け二次創作やホラー・グロ要素のあるものを見ちゃった時に
抵抗を感じる人も多いかと思います。
カップリングでもそういう感情を抱く人は必ずいます。
腐とか夢とかギャグとかシリアスとか関係なくです。
“メジャーカプ”と言えども必ず、です。
悲しい話ですが、二次創作は誰かに喜ばれるものであると同時に誰かを不快にさせるものです。しょうがない。
その「誰かに与える不快」を少しでも減らすためにCP名は一役買ってくれるわけですね。
CP名を使えばキャラクターのフルネーム無しで作品を世に出せるので、
キャラクターだけが好きな層やストーリーだけを追っているライト層のファン、ひいては作品のことをこれから知ろうとしている新規の人が作品を検索した時に検索結果欄に表示されずに済みます。
SNSで注意すべきこと
そして気をつけるべきなのは、
TwitterなどのSNSは利用者のフォローしているアカウントや「いいね」「すき」によってタイムラインが形成されるため「自分の好みの世界」ができてしまいます。
タイムラインに流れるのは自分の好きな人の投稿、同志の投稿、興味のあるコンテンツの投稿、自分におすすめされる投稿、そして自身の投稿。
まさしく自分中心の世界がそこにある訳です。
そうすると自分と違う嗜好の人の存在が薄くなるんですよね。
二次創作を投稿するとき忘れてはいけないのは、
自分の投稿は誰でも見られるものであると言うこと。
腐の二次創作が腐じゃない人の元へ届くかもしれないし、
夢の二次創作が夢嗜好のない人の元へ届くかもしれません。
(もちろんカップリングに限った話ではありませんが。)
SNS上でCP名は「防御」になってくれる
こういったSNS上においてCP名の表記は
「創作側」と「摂取側(見る側・読む側)」の双方の防御になるのです。
摂取側にとっては言わずもがな、地雷や萎えの自衛手段が得られます。
CP名が表記されていることによって、
ミュートワードの設定が生きたり、その作品の閲覧を未然に防ぐことができる訳です。
では創作側にとってどういう意味を成すのかと言えば、
閲覧した人の不信感や不快感を買う可能性が減らすことができるということ。
初見の人の印象に関わるのはもちろんのこと、
CP名を表記することで既存のフォロワーさんにも「この人は注意書きをしてくれる人だ」という認識してもらえるわけです。
たとえば普段とちょっと毛色の違う作品を投稿したいとき、注意書きがあれば「いつもと違う作品だから読むときは注意してね」という警告の役割を担ってくれます。すると受け取り手は作品を閲覧するかどうかを事前に決められるわけです。
逆に注意書きがないともし当該の作品がフォロワーさんの苦手な系統だったとき、「今後この人の作品は苦手な描写があるかもしれないからフォローを外したほうが良いかも」という危機感を与えてしまいます。
注意書きがあれば苦手な描写が含まれていそうな作品は読まないという選択肢ができるので、見る側にとっても安心できるということです。
先ほども述べたように二次創作は既に多くのファンがいることが前提なものなので、
思っても見ないところで軋轢が生じたりします。
多くのファンがいる、即ちいろんな人がいると言うことですからね。
不信の芽は摘んでおくに越したことはないのです。
それに、もしCP名を表記しなかったが故に
「あのカップリング界隈の二次創作者はマナーがなってない」なんて評価されたら悲しいじゃないですか。
とりあえずCP名を表記しておけば、もしそのCP関連に対して何か言われた時でも
「ちゃんとCPの注意書きはしました」と強気に出ることができます。
いうなれば保険ですね。
さらに、CP名の表記には閲覧側の誤解を事前に防ぐという効力もあります。
これについては次の見出しで詳しく説明しますよ。
まあ要するに、CP名もとい注意書きを書くのは原作への気遣いでもあり、違う派閥の人たちへの配慮でもあり、自分たちのジャンルの品を守るためのものでもあるということです。
二次作者の解釈を表明する(閲覧側の誤解を減らす)
先ほど少し触れた「閲覧側の誤解を事前に防ぐ」ことについて説明します。
解釈の表明とか閲覧側の誤解とかどういうことかっていうとですね、端的に言えば、
あかさたな×はまやらわのつもりで描いた絵を
はまやらわ×あかさたなで見られたら嫌だよね
ってことです。
絵に限らず、漫画でも小説でも。
カップリングのリバ(攻めと受けの反転)はカップリング界隈の中でも苦手な人が多いと思いますし。
あ、今そこのアナタ!
「カップリングの嗜好がない人には関係ないのでは?」って思いました?
実は関係あったりします。
というのも、
無CP派閥の人が描いたただのツーショットのイラストがCPのイラストに見えてしまう人がいます。
前項目で述べたように作品の解釈は千差万別だからです。
実際にこの件でお困りの絵師さんを見たこともありますし、
筆者もこの身で経験したことがあります。
筆者の場合は漫画作品で、無CPギャグ系統の作品を描いたつもりなんですが
「これだからA×B (CP名)は良いですよね」という旨の感想をいただいてしまいました。
(もちろん他の方は無CPとして読んでくださってましたが)
描いた身としては正直、反応に困っちゃうというか何というか、複雑な心持ちになりますね。
まあ筆者はいただいたコメントに対してあまり返信などはしないので
それ以上の困りごとはありませんでしたが
感想コメントなどに丁寧に返信なさる絵師さん方は
こういうことがあると複雑だろうな…と。お察しします。
ところがですね、
無CP派閥の人は明確な注意書きワードがないんですよね。
なぜかと言うとカップリングという行為は「キャラとキャラの関係性」という設定を二次創作者が付け足しているのに対して、
無CPは何の設定も付け足していないからです。
要は注意を書きようがないんですね。
「※無CP」なんて注意書きが常駐するなら「※無キャラ崩壊」とか「※無ホラー」「無グロ」とかも出来てしまうってことです。
まあ何事も臨機応変なり柔軟な対応というものは必要ですので
そういった注意書きが必要なケースも絶対に無いとは言いませんが
多くの場合「無」よりは「有」を表現したほうが手っ取り早いということです。
カップリングは単純明快な注意書きのひとつですから
是非活用していただきたい。
そうすることでカップリング派閥も無CP派閥も救われます。
そしてついでと言っては何ですが
閲覧側に回った際に注意したいのは
CP表記のない作品に対してCP前提の感想を送るのは慎重になるべきということ。
困っちゃう絵師さんもいますからね。
(心の中で楽しむ分には自由に解釈していいと思いますけど)
こんにちは!しがないスマホ絵描きです。 筆者は主にギャグ・ネタ系の漫画(二次創作)ばかり描いている絵描きではありますが、光栄なことにTwitter、pixivや各種匿名メッセージツールでフォロワーさんから感想・コメントを貰うことがあ[…]
CP名の表記は閲覧増加につながる

SNS等で推しカプの作品が見たい時、あなたならどうしますか?
最もシンプルな手段は「カップリング名で検索する」です。
はい。お察しの通り
二次創作を投稿する時、投稿文にCP名を入れておくと検索に引っかかりやすくなります。
検索という行為を甘く見てはいけません。
人はなぜ検索しているのかというと、その作品を探し求めているからです。
「このCPの新しい作品が見たい」「自分の好みにあった作品に出会いたい」
そういう気持ちを持った人が検索をするわけです。
そしてCP名検索のいいところは需要と供給がピンポイントで合致すること。
そのCPが好きな人が作品を探し求めてくれている絶好の機会なんです。
それなら「そのCPの作品、ここにあります!」と言った方がお得じゃないですか?
前の段落で説明したCP名の役割は界隈外の人へ向けての注意書きであるのに対し、
今回の役割は界隈内の同士に的確に届けるための目印みたいなものです。
たった数文字のCP名にはたくさんの意義がありますね。
カップリング作品は公式タグとの併用を避けるべき
ただし注意して欲しいのがこれです。
たまに見かけるんですが、CP表記と公式タグを同じ投稿で使ってしまっているケースがあるんですよね。
「アカハマ(CP名) #◯◯(作品名)」みたいな感じで。
しかし前述の通りカップリングはあくまで二次創作者の解釈によるものであり、
原作・公式の設定ではありません。
(公式に明言されているカップルならともかく。)
よって、その作品のファン全員が全員カップリングを受け入れられるかと言えば、決してそんなことはありません。
CP要素のある二次創作を投稿する際に作品名を正式名称で記載したり公式のファンアートタグを併用してしまうと公式の目に止まったりCPが苦手な人の目にも入ってしまったり、
あるいはその作品のことを知らない人が公式の想定していない印象を抱いてしまう可能性もあります。
CP作品はあくまで界隈内に留めておく方が好ましいと思います。
CP名“無表記”派の意見

とはいえ「CP名は無表記でも良いのでは?」という人も往々にして居ます。
これは筆者の主観ですが、
無表記派は“地雷”がない、いわゆる雑食の人が多いのではないでしょうか。
中には「地雷はあるけど創作者に気遣いは求めない」という考えの人もいると思いますが、
ほとんどの地雷持ちの人は地雷を踏む恐怖を知っているので、その恐怖を他の人に抱かせるようなことは避けるのではないかと。
筆者も地雷と言うほどではありませんが苦手な描写がありまして、
いきなり踏んでしまったときの気持ちたるや。
川尻早人をヘブンズ・ドアーで読んでえらい目に遭った時の岸辺露伴はこんな気持ちだったんでしょうね。
(この喩えが伝わると嬉しい)
しかしながら最初に述べた通り、CP名の表記は個人の自由なのです。
CP名無表記派の意見もいくつかあげておきますので、
最終的に表記するか否かを判断する一助にしてください。
作品の雰囲気を壊したくない
シリアスな作品の絵描きさんや壁打ちアカウント(誰かと繋がることを目的としているわけではなく、ひたすら自作を投稿するアカウント)の意見に多く見受けられる印象があります。
イラストの投稿に注意書きなどを盛り沢山にしてしまうと投稿文が長くなって見た目がうるさくなってしまうからですね。
正直なところ、筆者は「自分の作品に無駄な文言をつけたくない」「この絵は何も言葉をつけずに投稿したい」という気持ちが描き手側としてかなり理解できます。
(実際やっちゃったことあります。一枚絵だけのツイート。)
作品の雰囲気を重視したいなら投稿文ゼロもありだと思います。
・アカウント名やプロフィール欄にCP名を書いておく
・画像内に注意書きを記載する
などの手段があります。
検索避け
CPのファンの目に入るのを避けたい場合は、CP名の検索に引っかからないように何も書かないという手があります。
たとえばCP作品といえども見る人・読む人を選ぶ作品の場合などがこれに該当します。
具体例を挙げると死ネタ・ホラー・グロ・NTR、などなど…
要はすんごいコアな人向けのときにあえてCP名表記を避けるということです。
・注意書きを増やす
・ワンクッション挟む(プライベッターなどのサービスを利用する)
などの手段を取るといいかもしれませんね。
他人の地雷を配慮する必要ってあるの?
言わずもがな難しい問題です。
CP名表記・無表記問題が盛り上がるのは大抵の場合この論点だと思います。
二次創作者側の言い分としては
「いやそんなん見る側の地雷とか知らんがな。勝手に見といて文句言わんといて。好きにさせて!」ってなるかもしれませんが、
閲覧側にとってはSNSの仕様上、意図せず地雷作品が目に飛び込んでくるなんていうケースも多々あります。
描き手・書き手が「見る側の都合なんぞ知ったことか」と言うなら
見る側・読む側も「創作する側の都合なんぞ知ったことか」なんです。
要するにこれは「創作する側とそれを摂取する側の都合の問題」と言い換えられるわけです。
これの分かりやすい比喩として、SNS上の他者との関係をすれ違う通行人などに喩えられているのを聞いたことはありますでしょうか。
創作する側にとっては
「投稿した内容に不満や文句を言ってくる人」は
現実(リアル)で言う
「他人が話しているのを勝手に聞いて、怒ってくる見知らぬ人」のようなものですが
ところが摂取する側にとって、注意書きのない地雷に突如出くわすのは
「危ないものを持った人と出会い頭になる」みたいなもんです。
※「地雷」という表現に合わせて「危ないもの」なんていう言葉を使いましたが、簡単に言うと苦手なものや怖いものってことです。
とは言え、
SNS上で自分が客観的にどう見えているかは判断し難い。
「自分が危ないものを持っている人」なのかどうかは自分自身では判断しにくいのです。
自分にとって自分の作品は地雷じゃないですからね。
かと言って、創作する側ばかりが過剰に気を遣うのも何だか違うし、
摂取する側がいつもビクビクしていなきゃいけないのも何か違う。
要は双方の立場の妥協点が欲しい訳です。
筆者としては、その妥協点は「注意書き」ひいては「CP名表記」になるのだと思います。
妥協点として一般的だからこそ、
Twitterには「ミュートワード」という機能が存在するし
pixivには「タグ」や「マイナス検索」という機能が存在する訳です。
サービス運営側が「目に入れたくないものは自分で見えないようにしてね」と言ってくれているわけですからね。
その機能がきちんと働くように利用者が工夫をするのも配慮のひとつと言えるのではないでしょうか。
現実で言うところの「ここは歩行者専用だから車は入らないでね」っていう標識の役割をCP名は担ってくれるものだと思います。
ここはA×Bの作品があるからA×B地雷の人は来ないでねって感じでしょうか。
創作する側は注意書きのCP名ひとつで気遣いになるし、そのCP名のお陰で摂取する側は自衛の手段を得られるのです。
とはいえ何度も言いますが、
CP名表記はマナーや配慮の域を出ないので、他者に強制するものではありません。
文句を言ったり悪口を言ったりは良くありません。肌に合わないSNSユーザーに出会っても「そっ閉じ」が吉です。
個人の信条に則って、良識の範囲内で二次創作を楽しめばいいと思います。
最後に:注意や配慮はするべきだが否定してはいけない
これまでカップリング表記について諸々述べてきましたが、
カップリングという行為を否定する訳ではありません。
上記でも述べましたが、
作品の愛し方はカップリングに限らず千差万別であり
どんな愛し方をしている人であっても、同じ作品のファンなのです。
同じようにお金を払ってコミックスを買ったり、時間を縫ってアニメを見たり、リアルのイベントに参戦したり、SNSで作品の魅力について語ったり、誰もがしている訳です。
腐、夢、NL、キャラが好きな人、ストーリーが好きな人…挙げたらキリがありませんが、
どのファンが正しいだとか優れているだとか、はたまた愛の重さを比べるだとか、そういうことを気にするのはナンセンスすぎます。
原作・公式が第一にあって、我々は等しくそれらを愛するのみです。ファンはファン以外の何者でもありません。
ただ、同じ作品を愛するファンどうし棲み分けに気をつけてお互い快適に作品を楽しもうねという話です。
同じ魚類に分類されていても海水に適したものと淡水に適したものがいるのと同じこと。住みやすい場所で過ごせば良いし、海水と淡水を行き来できる人は行き来を楽しめば良い。
ただ、それぞれの環境を住みやすい場所として維持するための協力は皆でしていきましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!